下記は、新聞記事の引用。
その最後のオンライン講演会に応募しましたので、拝聴する予定です。

「つくる責任 つかう責任」

兄弟で2004年に立ち上げたファッションブランド「THE INOUE BROTHERS…(ザ・イノウエ・ブラザーズ)」が今、世界を少しずつ変えています。

〈SDGs×SEIKYO〉 なぜ、その服を買うのか――ファッションブランドの挑戦

二人がこだわるのは、生産の過程で地球環境に大きな負荷を掛けず、生産者に不当な労働を強いない“エシカル(倫理的な)ファッション”。
  
 主力製品は南米の先住民が飼育する最高品質のアルパカ繊維を用いたニットアイテム。ファッション性はもとより、サステナブル(持続可能)なモノづくりが注目を集め、今や世界中のショップで有名ブランドと並んで販売されている。

<中略>

きっかけは、ブランド設立後、何度かボリビアを訪れ、過酷な労働環境を目の当たりにしたことだった。カシミヤと同等の品質を誇るアルパカの繊維であるのに、仲介業者に利益を搾取され、現地には貧困が広がっていた。

井上兄弟の脳裏に幼少期の原体験がよみがえる。デンマークの学校で唯一の日本人だった兄弟は、いじめの標的にされた。社会の不正義や不条理を目にすると、「今でも尋常じゃないほどの怒りがこみ上げてくる」。

工場で懸命に働く女性労働者。街では子どもが靴磨きをしていた。兄弟は「どこかで、誰かが苦しまなければならないビジネスなんていらない」と心から思い、誓いを立てた。「アルパカ本来の価値を正しく伝える世界一のニットウエアをつくろう。つくる人から着る人まで、全ての人が幸せになれる本当のラグジュアリー(ぜいたく)を提供してみせる」

二人は突き進んだ。標高4000メートルのアンデス山脈で先住民と寝食を共にし、最高の素材を求めた。「スタイルは大量生産できない」をブランドスローガンにし、モノづくりにも妥協しなかった。

 当時から聡さんはグラフィックデザイナーを、清史さんはヘアデザイナーをしながら、そこで得た収入のほとんどをブランドの運営に費やす。「投資家から資金を集めたのでは、彼らの思うままにされ、自分たちの正義は貫けない」

<中略>

素晴らしい出会いにも恵まれた。高名なアルパカの研究者と共に最高のアルパカ繊維を開発。利益追求だけではなく社会貢献を主軸とするブランドコンセプトに賛同者が集まり、販路は大きく広がった。大量生産・大量消費にあらがう井上兄弟の情熱に世界中のファンが共感し、アンデス地方の先住民たちの労働環境や暮らしも改善されている。
  
 つくる責任、つかう責任を問うSDGs。「SDGsを考えれば、一番は服を買わないことだね」と聡さんは言う。だが、それでは経済は回らない。アンデスの人々の暮らしも変わらない。
  
 「だから服を選ぶ時、その服の奥にある“ストーリー”まで思いをはせてほしい。サステナブル(持続可能)って、結局、感謝を忘れないことだと思うんだ」
  
 SDGs達成へ、足元からの行動を始めたい。

●ご感想をお寄せください sdgs@seikyo-np.jp

「ザ・イノウエ・ブラザーズ」井上聡さんの講演会に参加しませんか?

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