『どんな人と出会うかは、その人の命の器次第なのだ。』
知人のfacebookタイムラインを見て、
身が引き締まる感覚と、10代の自分に会ったような気持ちになれたので、
ブログ投稿に書き起こします。
著者:宮本輝
タイトル:命の器
太宰治賞、芥川龍之介賞、吉川英治文学賞などを受賞された作家。
映画化、ドラマ化された作品もあるので、知っている人も多いでしょう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E6%9C%AC%E8%BC%9D
『優駿』で吉川英治文学賞(歴代最年少40歳)、1987年(昭和62年)初代JRA賞馬事文化賞。2009年(平成21年)『骸骨ビルの庭』で第12回司馬遼太郎賞、2010年(平成22年)秋紫綬褒章受章。
代表作に「川三部作」と呼ばれる『泥の河』『螢川』『道頓堀川』や、書簡体文学の『錦繍』、出身校の追手門学院大学を舞台に大学生の青春を描きドラマ化もされた『青が散る』、自伝的大河作品の連作などで映画化やラジオドラマ化などもされている『流転の海』、『ドナウの旅人』、『彗星物語』など。
この本は、高校生の時、
学校以外でたまたま出会った大人の人(まだ、その人の名前と顔は覚えている)から勧められ、
大の読書が苦手だった私も、すぐに本屋に行って購入。
すっと読むことができた。
本の帯に『どんな人と出会うかは、その人の命の器次第なのだ。』とあり、
脳に直接語りかけ響くインパクトがあった。
どうしてあんな品の悪い、
いやらしい男のもとに、
あんな人の良さそうな
美しい女が嫁いだのだろうと、
首をかしげたくなるような夫婦がいる。
しかし、そんなカップルを
じっくり観察していると、
やがて、ああ、なるほど と
気づくときがくる。
彼と彼女は、
目に見えぬその人間としての基底部に、
同じものを有しているのである。
それは性癖であったり、
仏教的な言葉を使えば、
宿命とか宿業であったりする。
その大人の人は、
おそらく、本離れをしている高校生に、
良書の大切さを伝えようとしてくれていたと思う。
高校生の自分は、ほかの同世代と同じように、
夢や憧れ、限りなく広がる空想(妄想)みたいな漠然とした未来予想図があった。
かわいい彼女が欲しいとかね?
なんとなく、こんな職業につきたいなど。
でも、雑な表現をすると、「似た者同士」としか、
そもそも出会うことができないんだって。
例えば、アイドルと出会いたいとか、
金持ちの人と知り合いになりたいとか。
って言っても、地方に居て、
なんの取り柄もなく、努力もせず、
マスコミに取り上げられることもなければ、
自分という存在を知ってもらうことすらできない。
芸能人と結婚したいと思えば、
今なら(30年前も今もそう変わらないのかも?!)、スポーツ選手かお笑い芸人になれば、
バラエティ番組で共演したり、
最低でも、テレビ局ですれ違うこともあるだろう。
そうすれば、出会うキッカケだけは、辛うじて作れる。
相手の目に止まれば(存在を知ってもらえたら)、
連絡先の交換できるかもしれない?
しかし、「また、食事でも」と、社交辞令で流されるかもしれない?
そのすれ違いざまで判断されるのは、
個性であり人間力であり、
ひとを魅了する「魅力」なんでしょう。
そして、出会い、交流したあと、
その続きをどうするか、どうなるかは、
『目に見えぬその人間としての基底部に、
同じものを有している』かどうか?
共通の趣味を持っている、
または、物事を判断基準という価値観が似ているということではないか。
お笑い芸人南海キャンディーズの山里亮太さんと女優の蒼井優さんの結婚が、
記者会見で話をされていたように、正に、いろんな価値を共感・共有していたのだと思う。
「類は友を呼ぶ」ということわざが
含んでいるものより、
もっと奥深い法則が、
人と人の出会いをつくりだしている
としか思えない。
異性のパートナーについての記述が続いたが、
良い友人・仲間(ビジネスパートナー)と出会いたい。
自分にとって、価値ある前向きな言葉を交わしてくれる人と出会いたい。
そう思うなら、相手と自分が同じステージに立たなければならない。
宮本輝さんの言葉を借りるなら、
宿業という足かせを断ち切り?運を引き寄せ、
運命ともいうべき、宿命をも転換して、自分自身を高めていく。
そのために、徳を積み、自己鍛錬が必要である。
よく『あのひとは、器(度量)の大きい人だ』と表現する、
自分の『器』を大きくすれば、自分が求めている「大きな器」の人と出会えるという寸法だ。
そもそも住む世界がことなるのであれば、
自分がその場所にまで登りつめれば良い。
どんな人と出会いたいか?
自分の命の器を磨き、大きくしようと思った良書です。
「出会い」とは、
決して偶然ではないのだ。
でなければどうして、
「出会い」が、
ひとりの人間の転機と成り得よう。
私は、
ペニシリン系の抗生物質の副作用で、アナフィラキシーショックを起こしたので、
一生(ある種の)抗生物質は服用しない、救急搬送でも投与されないように気をつけなさいと、
26歳のころ、医師から『死ぬ寸前だった』と宣告された。
それ以来、
出会う人には一期一会の思いで、
次は無いかもしれない、自分の知っていること(スキルや知識・経験など)や伝えておきたいことは、
話しておこう!幸せのブーメランを飛ばそう!と、
心がけて接してきたつもりだ。
この行為が、
前段の「命の器」を大きくするための具体策だと考えている。
他の人の人生ドラマの中で、
助演男優賞をもらう?ような、転機に居合わせ重要な役回りができる、
知恵と経験を身につけて、人間力豊かな人間になりたいと思う。
久しぶりに、本を探し出し、
マイスタ文庫に入れようと思った。
※マイスタ文庫は、マイスタ加古川の私設図書館のことです。
コワーキングスペース利用者は無料で閲覧できます。
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